最近のAIの進歩を見ていると、コミュニケーション能力が、ますます重要になると感じています。蒼野は職場では上手くコミュニケーション出来ていると思っています(思い込み?)。しかし妻が相手だと、上手くいかないことも多く、いつも同じような指摘を受けます。これは男性と女性の脳が違うために、考え方の基本が異なるからだという記事を見つけ、とても興味深かったので、シェアしたいと思います。
蒼野が昔読んで、すごく面白いと思った本があります。全世界で600万部、42カ国でNo.1となった「話を聞かない男、地図が読めない女」という本です。男性脳と女性脳について、こんなに違うんだよということが書いてある本なのですが、男性脳の記載が、本当に自分によく当てはまっていました。
「男は一度にひとつのことしかできない」と書いてあるのですが、自分は本当にそうです。妻と話をしている時に、テレビで大谷翔平君がホームランを打つニュースを見てしまうと、とたんに上の空になり、話が噛み合わなくなるため怒られます。本には、男は狩りをしてきた歴史が長いため、1匹の獲物に狙いを定め、集中できるような遺伝子が残りやすいからだと解説してありました。
また妻や娘からの悩みの相談を受ける時も、よく地雷を踏みます。女性はただ聴いてもらって、共感して欲しいのだということは、知識では知っているのですが、ついつい要点を問いただしたり、解決策を提案したりしてしまうのです。なるべく我慢強く聴くことに徹し、辛かったねとか、怖かったねとかで、対応しようと思っているのですが、ついつい先を急いでしまい、「もういい」と言われてしまいます。
男も女もLGBTQも、同じ人間で、胎児の最初は女性が基本だそうです。男の場合は精巣が出来て、男性ホルモンが分泌されると、まず身体が男性になり、遅れて脳が男脳に変化するようです。男性の身体になる時期にホルモンが不足していると女性の身体で、その後ホルモンが出てくると男脳になります。最初にホルモンが出て、男の身体になっても、その後分泌が少なければ、女脳のままになるという仮説が有力です。
ということで、世の中の男性の全てが男脳では無いですし、女性が全て女脳ではありません。「いろいろな考え方がある」ということを理解しておくことが正解になります。しかし沢山の人と付き合ってゆくときに、それぞれのステレオタイプを知っておくことは、自分と違う考え方があるのを理解する上で、より上手くコミュニケーション出来ると思います。
今回読んで面白かった記事は、元々AIの研究者で、現在は脳科学コメンテーターで多くの著書を書いておられる黒川伊保子さんの講演記事です。AIの研究員として働いていた時に気付いたのは、男女の脳が違うという事だったそうです。脳を分析するときに、男女のデータを混ぜると、機能フローが書けなかったからです。
男性脳は、結果や事実を唯一の事象として捉えます。狩りをするときは、獲れるか獲れないか、怪我をするかしないかが全てです。リスクに身を晒している時に、自分の気持ちや、相手の気持ちは重視できないのです。一言で言えば、「ゴール思考問題解決型」の脳なのです。
一方女性脳は違います。女性は「心」と「事実」という2本の通信線を通じてコミュニケーションを図ります。心で相手の行動を受け止めて共感し、それから事実について評価します。一言で言えば、「プロセス思考共感型」の脳です。男性の皆様は、これを覚えておかなくてはいけません。
これがコミュニケーションに影響します。相手がダメだと評価した男性は、「君はここが違ってるよ」とそのまま伝えます。男性脳は納得しますが、女性脳は、事実という通信線だけで「違ってるよ」と言われると、「存在自体を否定された!この人はひどい」と感じます。
女性脳を理解している上司であれば、採用できない部下の提案に対して「ああ、これよく気がついたわね」と言って一応読んだりして、まず心の通信線を繋げます。それから「でもね、これは箸にも棒にも全然かからない、駄目だね」と事実の通信線でアドバイスするのです。相手の事実を否定するときも、「先に心を肯定する」喋り方が大事なポイントです。
男性と女性では「対話に使う脳の作業領域」が数十倍も違うのだそうです。男性は数十分の1の領域で対話をしようとするため、単刀直入に結論を重視し、話に枝葉を付けず、ポイントを絞って理解しようとします。仕事は現代における狩りですので、職場での会話はこちらで良いはずです。会社内の会話については、女性は「いきなり否定された。でもこれには悪気はない」と思わないと、余計なストレスが溜まってしまうのです。
女性はいろんな情報を混ぜて話すのが、当たり前です。脳の会話領域が広いのですから、愚痴や、料理の味や、すれ違った人の様子など、男性脳の蒼野には、何が言いたいのか、理解することが出来ません。小さな会話領域では処理しきれず、会話内容が把握できなくなるのです。妻と色々話していると、いつも最後には「あなたは私の話を少しも聞いていない」と怒られます。
しかしこの漫然とした要領を得ない話であっても、女性脳であれば、集中していない状態で、言語野のスイッチを切らさずに聞くことが出来ます。相手の女性が「あなたどう思う?」って言ったときに、すかさず会話を上手く返すことができるのです。男性脳は、集中が必要な会話でなければ、音声認識のスイッチまで切ってしまうのです。
男性脳と女性脳では見えている範囲も違うようです。男性は3mよりも外側の動くものに瞬時に把握できるように眼球が制御されています。女性は半径3m以内の動きが緩慢なもの、動かないものを、舐めるように見て、針の先ほどの変化も見逃しません。これも狩りに必要な危険察知能力を持つ男性と、赤ちゃんの顔色のちょっとした変化が分かる女性の脳の差のようです。
蒼野は冷蔵庫の中を探すのが下手くそです。昨日のおかずがある筈なのに見つけられません。妻に言うといつも魔法のように、一瞬で取り出します。また店での席も、女性を壁際の席にする方が無難です。男性が店内を見渡せる位置に座ると、眼球が動いている他の女性を見てしまいます。知らないうちにパートナーの機嫌が悪くなってしまいます。
夫婦になる人は、赤い糸のブログの時にも書いたように、自分となるべく違う遺伝子を持った人と結びつくことが多いです。HLA型が遠く離れた人と恋に落ちるのです。夫婦は男脳、女脳の違いがある上に、遺伝子が遠く離れた、全く違う人が選ばれやすいことになります。別々の要素が協力することで、種の保存の確率が上がるからです。
実は噛み合わない夫婦、会話が訳がわからない夫婦こそが、最高のペアなのです。最初は遠慮して分かり合えたように思えても、時間が経てば、そうではなくなります。「イラッとするのは全部、愛なんだ」と考えると、夫婦関係は全う出来ます。ちなみに、たとえ相手を変えても、3年もすれば同じはずなのです。
蒼野は妻によく怒られますが、「仕方ないよね」と諦められてもいます。脳科学的には最高のペアだと、今日認識することが出来ました。典型的な男性脳なので、コミュニケーションする時には、「心」と「事実」の二つの通信線を意識していきたいなあ、と思った蒼野でした。
参考ページ: 黒川伊保子/“読む講演会” 男女は脳が違う。それがわかれば人生が変わります。 https://www.kouenirai.com/kakeru/closeup/17712
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