レモン緑茶との付き合い方!

2023/04/03

  蒼野は去年から朝、緑茶を入れてレモンを1個絞り、レモン緑茶を作って飲んでいます。600mlの緑茶に、レモン1個を入れて、朝1杯飲み、残りを水筒に入れて、夕方までに飲み切っています。レモンと緑茶の健康効果のために飲んでいる意味合いが大きく、味は少し渋く、甘くないレモネードという感じです。万人受けして、美味しいとはならないかも知れませんね。

 最近のCMで、ペットボトルでもレモン緑茶が出ているのを目にして、ちょっと嬉しくなったので、今日はレモン緑茶について書いてみようと思います。まずは新製品の話です。『レモンと緑茶の新リフレッシュ体験」だそうです。商品名は『からだリフレッシュ茶W』です。仕事や勉強による一時的な、精神的ストレスや疲労感を軽減するということです。

 有効成分として、GABAが入っているのが強調されています。過去の研究では、19例ずつのグループの、28mgのGABA含有のコーヒーと、水、普通のコーヒーの比較実験で、唾液中のストレスマーカーの値が、30分後には有意に低下し、60分後の疲労感も有意に低下が見られることが報告されています1)。日頃の仕事でストレスが多い人などには効果があるのかもしれませんね。

 その有効成分とされるGABAが、何なのかも調べてみました。神経の昂りを抑える、抑制系の神経伝達物質であるということは、ご損じの方も多いかもしれません。蒼野の知識もここまででした。本当にGABAを加えた食べ物を摂ることで、それが脳に影響するというのは、ちょっと短絡的な気がしました。GABAが消化されたらバラバラになるのではと思ったからです。

 調べてみると、GABAというのはアミノ酸の一種で、小腸から吸収され、血流に入るもののようです。グルタミン酸が、酸素原子と水素原子を失って生成されるアミノ酸誘導体が、GABAの様です。必須アミノ酸ではないので、GABAが直接タンパク質に作り替えられることはない様です。もちろん脳血液関門(BBB)があるので全てが脳に入る訳ではないのですが、一部は脳に入って、神経の反応に影響し、不安やストレスを緩和します。

 また血流を通じて、末梢神経系にも働いて、神経の昂りを抑制します。これによって、リラクゼーション効果が生じると考えられます。飲み物や食べ物にGABAを加えることで、ストレスや疲労を軽減し、リラックス効果を促すことができるということで、最近はGABAを添加したコーヒー、お茶、エナジードリンク、果物ジュース、チョコレート、ヨーグルトなどが出回っているということです。

 もともと自然にGABAが含まれている食べ物も存在します。まずは玄米です。発芽玄米になると、もっとGABA含有量を増やすことができます。緑黄色野菜や豆類、緑茶やウーロン茶には、少量のGABAが含まれています。お茶に関しては、普通の緑茶280ml(からだリフレッシュ茶Wと同じ量)あたり約1~5mg程度の含有です。

 発酵方法によって、緑茶のGABAを増やす方法があります。茶葉を収穫した後、酸素の代わりに窒素ガスを利用した無酸素状態で、茶葉を発酵させることで、茶葉中のグルタミン酸がGABAに変換されます。GABA茶と呼ばれるものです。茶葉の重量100gあたりに、GABAが100mg以上含まれている様です。楽天で見てみると、沢山売られていました。ストレスが多い時期には、こちらをチョイスするのも良さそうです。

 もともと緑茶には、L-テアニンというアミノ酸も含まれています。これもリラクセーション効果や集中力の向上に役立つとされています。テアニン入りの睡眠サプリメントもあるので、ご存じの方もおられるかも知れません。 L-テアニンは、リラックスしている時の脳波である、α波を増やすことでも知られています2)。

 L-テアニンが含まれていると、リラックスして、眠りやすくなったりします。L-テアニンは脳内でGABAの産生、セロトニンの産生、ドーパミンの産生を促す作用があり、リラックスして、集中力や注意力が高まり、気分が良くなります。緑茶にはカフェインも適度に含まれていますから、神経の興奮を高める作用と、リラックスして集中できる作用が補完しあうため、休憩中に緑茶を利用するのは、とても有効な方法なのです。

 またL-テアニンは免疫機能の改善にも影響を与えます。唾液中の初期免疫に関わる、IgAの分泌を高めます。それに加えて、緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、ウイルスの細胞侵入を抑制し、ウイルスの増殖に必要な酵素活性を阻害し、ウイルス構造に変化を加えて抗ウイルス効果を示します。免疫細胞の活性化作用もあり、これらが含まれる緑茶は、コロナやインフルエンザの予防にも最適な飲み物なのです3)。

 そしてレモンです。レモンにビタミンCが含まれるのは皆様ご存じですよね!緑茶が持つ抗酸化作用を増強し、利尿作用や肝臓の解毒作用を高めることによるデトックス効果もあります。日本ではまだ新しい飲み方かも知れませんが、イランでは、緑茶にレモンやライムを添えて飲む習慣があるそうです。中国でも、柑橘類の果皮や香りが加えられた緑茶が楽しまれる地域があります。

 最後に、緑茶を淹れる温度についても知っておいてください。90-100℃のお湯で淹れると、カフェインが多く抽出されます。低温抽出では、約30-50%程度減少する可能性があります。抽出時間が短くても減ります。一方テアニンは抽出は60-70℃の低温で淹れると最大となります。高温では、およそ20-30%程度減少してしまいます。

 眠たくて、目をシャキッとさせたい時は高温抽出が良いですね! 風味が強くなり苦味や渋みも増すことは知っておきましょう。疲れたり、リラックス効果を重視するなら低温抽出です。夜であれば、食後のコーヒーよりも食後の緑茶の方が、カフェイン量は少ないため、睡眠への影響を考えれば、緑茶に軍配が上がります。デカフェコーヒーもあるので、やはり好みの問題かもです。

 GABA茶については、70-90℃が適切な抽出温度です。GABAも、高い温度の方が多くなり、低いと少なくなります。1-2分蒸らしてから飲むことが一般的です。ちなみに蒼野は80℃で淹れた緑茶を愛飲しています。今日調べてみて、普段飲んでいる緑茶でも、色んな温度を試してみたくなりました。

 蒼野も本日で63歳になりました。若い頃はメインはアルコールで、お茶が好きになるなんて考えられなかったです。歳は取るものですね! 感染予防のためにも、認知症予防のためにも、緑茶を飲みながら過ごしてゆきたい蒼野でした!

参照文献:
1)The beneficial effects of coffee on stress and fatigue can be enhanced by the addition of GABA. 薬理と治療 (2015) 43 (4) 515-519.

2)How does the tea L-theanine buffer stress and anxiety. ; Food Science and Human Wellness  11(3)2022, 467-475

3)Effects of Green Tea Gargling on the Prevention of Influenza Infection in High School Students: A Randomized Controlled Study:  Published online 2014 May 16. doi: 10.1371/journal.pone.0096373

参照ページ:からだリフレッシュ茶W    https://c.cocacola.co.jp/refreshcha/  

過去ブログ:

もし記事が良かったよ!と思われた方は蒼野健造公式ラインのボタンをポチッと押して、ご登録くださいね。ライン登録された方で希望される方は、オンライン面談での相談に乗りたいと思っております。