無くしかけた幸せの話!

2023/01/27

 昨日に引き続き、今日も蒼野家のプライベートで起こった大事件について、ぶっちゃけたいと思います。妻と一緒に実家の片付けをして帰る新幹線で次女から連絡が入り、ウチの1歳になったばかりの柴犬が、18時過ぎに散歩の途中でハーネスがスポッと抜けてしまい、そのまま走り去って居なくなってしまったとのことでした。

 いつも散歩は、妻か蒼野が連れて行くことが多く、不在の間、慣れない娘が一生懸命連れ出してくれていた途中の出来事でした。家に帰り着くと、ドアを半開きにして、次女は愛犬の帰りを待ち、玄関で泣きじゃくって居ました。三女は散歩コースを探しながら、交番に届けを出しに行って居ました。

 広島でくたくたになって居ましたが、蒼野も妻もそのまま想定される散歩コースを探しに出かけ1時間以上探し回りました。結局見つからずに帰宅、次女に自分を責めないよう声を掛けましたが、家族全員が心配しながら黙っている時間が流れました。夕飯もあまり喉を通らず床につきました。

 ペットには去年の6月からマイクロチップが義務化されており、ウチの子にも入っているので直ぐに見つかるかもと思って調べましたが、まだ現在のマイクロチップにはGPS機能は無く、見つかった時に照合できて、飼い主の情報が確認出来る機能しか無いとのことでした。娘達は迷い犬情報をTwitterに回しました。夜遅いのでペット保険の迷い犬探偵依頼は翌日にしました。

 結局そのまま不安な夜を過ごしました。身体は疲れて居ましたが、3時に目が覚めた後、どうしても色々考えてしまって、2時間くらい眠れませんでした。「コントロールできない悩みは考えない!」と決めており、最悪見つからないことや、車にはねられてしまうことも覚悟しよう腹を括ってみました。しかし妻や娘がどんなに悲しむだろうと思うと、ストレスホルモンを止めることは無理でした。

 翌朝、やはり妻も娘達も、熟睡はできなかったようで、頭痛薬を飲んでいました。蒼野も重たい身体と頭を抱えて仕事に出かけることになりました。通勤途中も、道で犬が死んでないか目を凝らしている自分がいました。自宅から20km近く離れている職場周囲の朝散歩中も、柴犬を探してしまいました。

 落ち着かない気持ちのまま仕事をして居ましたが、15時にLINEで、近くの交番に保護された我が子を連れて帰ったと、満面の笑みで柴犬を抱っこした次女の写真が送られてきました。誰も居なかったこともあり、医局で一人泣いてしまった蒼野でした。生きててくれて良かったと言うことと、自分にとっても愛犬がすごく大きな存在だったという事に改めて気づきました。

 17時になるやいなや、一番早い地下鉄に乗って帰りました。帰って顔を見るとやつれており、いつになく元気がない我が子でしたが、そばに座るとペトッとくっついて来ました。怖くて寂しい思いをして居たのがわかりました。保護されたのは、逃げ出して直ぐの時間で、妻とよく行く散歩道だったようです。ウチに来てから初めて妻が3日間も居なかったので探しに行ったのかも知れません。

 交番に出向いた時には、今まで出したことがない声で鳴いたそうです。マイクロチップ番号を照合することなく、飼い主と分かって直ぐに引き渡してもらいました。撫でていると、自分の中でオキシトシンが分泌されるのが分かる気がしました。ご飯の後散歩に行くと、途中から段々元気になり、いつもの我が子に戻り、目がキラキラになって走り回れるようになりました。

 終わり良ければすべて良しではありますが、今回気付いた事について書いておきたいと思います。自分の事故の時もそうでしたが、人生突然の出来事で、急に変わることがあるということが一つ。改めて考えると、柴犬の性質は薄々感じて居たものの、対策を取って来なかったということもあります。

 以前も書きましたが、人間には日常性バイアスという認知の歪みがあります。昨日までのことがずっと続くという間違った認識です。柴犬を飼うまで、ウチはゴールデンレトリバーを2代、23年間飼っていました。どちらのゴールデンも呼んだら直ぐに側に来てくれたので、逃げ出すという想定がしにくかったのです。

 今改めて調べてみると、柴犬の遺伝子はオオカミに近く、原始的な犬に分類されるそうです。祖先の遺伝子が残っており、家庭で飼える野生動物と言われているのです。警戒心の強さ、そっけなさ、飽きっぽさは、野生動物として当たり前の特性です。呼んでも来ませんし、追いかけたら逃げるのです。

 実は今年の初めに、蒼野も散歩中う○ちを処理をしている時に、急に引っ張られてリードを離してしまい、息を切らしながら追いかけたのですが追い付けず、いつもの公園の段差にリードが引っかかっているところで漸く捕まえたという事件があったばかりです。大きな道路を横切ったのですが、その時間は車通りが少なかったので轢かれなかったという状況でした。

 それからはリードをカラビナでベルトに繋げてからう○ちを処理するようにしていました。今回は身体が大きくなってキツそうだったので、ハーネスを緩めたのが裏目に出たようです。今から出来ることとしては、『待て』とか『おいで』が散歩の途中でも出来るようになることでしょうか? 地道な訓練をするしかないなあと思っています。

 今回一番心配だったのは、責任を感じている次女の気持ちでした。ウチの女性陣は、HSP気質なので蒼野よりも随分繊細です。妻や三女、離れて暮らす長女も、もしそのまま行方不明になったり、死んで見つかったりしたら、立ち直るのに時間が掛かるだろうと思うと、自分の問題ならほとんど落ち込まない蒼野の気持ちが、どーんと下がりました。

 自分の悩みは解決出来ても、家族の気持ちや悩みを解決するのは難しいことに気づきました。自分の悩みは解決出来ると書きましたが、見つかった時の涙を考えると、自分にもダメージがあった事にも気付きました。次女の気持ちを考えて、切り替えようとしていただけで、一緒に散歩していた天気の良い休日には、寂しくて堪らなくなったと思います。

 改めて考えると、自分の事故の時は、家族の気持ちを考える余裕がありませんでしたが、家族は随分心配したのだろうと思い返ししました。また明日どうなるかは分からないので、自分の母親に対しても、今できる事を後悔の無いようにしておきたいと思わせてくれる出来事になりました。

 世の中には悲惨なニュースが毎日報道されています。それに比べると、たかが犬が一匹いなくなっただけですが、蒼野家では2023年の大事件となりました。人生の幸せの要素の一つであるオキシトシンの泉が一つ無くなるのは、家族みんなの大問題だったのです。

 今までのワンコと同様に、寿命で死ぬまで可愛がり、一緒に過ごしてやりたいなあと心から願う蒼野でした。

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