冒険家にとっての「43歳」!

2022/06/06

  冒険家はみんな43歳で亡くなっているという記事を目にして、なるほどなあと深く感心したので、紹介したいと思います。42歳の日本を代表する探検家の一人である角幡唯介さんの記事からの紹介です。

 日本には昔から厄年という考え方があります。平安時代に古代中国の陰陽道の影響で生まれ、現在まで続いていると言われています。一般的には男性が数え年で25歳、42歳、61歳、女性が数え年で19歳、33歳、37歳です。蒼野は満60歳、丁度数えの61歳で事故にあったので、本当なのかも?と思ってしまいます。

 1970年に日本人で初めてエベレストに登頂し、五大陸最高峰の世界初の登頂や、犬橇単独行で北極点に初到達した偉大な冒険家、植村直己さんが、厳冬期のアラスカ・マッキンリーのデナリ峰で消息を絶ったのは43歳になった年でした。

 また北極点から故郷の愛媛県まで徒歩で帰る、5年がかりの計画の途中で、北極海の氷の割れ目に転落して死亡した河野兵市さんも43歳です。アラスカの大自然と動物を愛した写真家の星野道夫さんがヒグマに襲われ亡くなったのも43歳、ヨーロッパアルプス三大北壁の冬季単独登頂に世界で初めて成功した長谷川恒男さんがパキスタンのウルタルII峰で消息をたったのも43歳のことです。

 カメット南東壁を初めて登りきり、女性として初の「登山界のアカデミー賞」の異名を持つピオレドール賞を受賞した、谷口けいさんも、北海道黒岳で滑落し、死亡したのは43歳のことでした。これだけ偉大で有名な冒険家が、同じ43歳で亡くなっているというのは、何か特別な意味がありそうです。

 記事を書いた角幡唯介さんも冒険家であり、同じ年代だからこそ、気付いたことを述べておられます。角幡さんが冒険を始めたのは、大学の探検部に入ったのがきっかけです。最初は沢登りから始め、経験を積むにつれて、小さな沢登りが、落ちたら死ぬような滝にも登れる様になり、どんどん限界が上がっていきました。

 海外に出掛けて、よりスケールの大きな山にも登れる様になり、誰も足を踏み入れたことのない世界最大の峡谷、チベットのヤル・ツアンポー峡谷の人跡未踏部分を単独で踏破したり、北極の氷原を二カ月かけて千キロ歩いたり、カヤックで氷海を航海したりもできる様になりました。

 経験が積み上がると、未知の領域のこともなんとなく予測できるようになり、本当は未知なのに、できるという確信に変わってゆくというのです。それがちょうど40歳を超えるあたりで、あの状況になっても対応できるし、この状況になっても死にはしないだろうと思える様になったそうです。

 しかし42歳あたりは多くの人にとって、大厄です。40代は一般的に「体力や気力が衰えていく年代」と言われています。これは日頃から鍛え上げている冒険家の方々にも当てはまることなのでしょう。生物学的な衰えは、誰にでも訪れます。やる気も含めた、生命体としての総合的なパワーが減ってゆくのがこの年代なのです。

 若いうちは体力はありますが、経験が無いために、スケールの大きな冒険に挑むとという判断はできません。しかし経験を積んで、何でも出来ると思える様になる40代に、体力は低下してゆくのです。しかし本人はまだ衰えを認めたくは無いし、年々衰えることは分かっているので、今しかないと考え、大きな挑戦をするのが43歳くらいだと、角幡さんは感じられるそうです。

 なるほどなあと蒼野も思います。しかし現実問題として死の危険が高くなっていることを実感されている角幡さん自身も、体力が年々落ちていくからこそ、今年挑戦しておかなければという、焦りに似た気持ちを抱いていると言われています。

 今までの経験で思いついた、人生最大で最高の計画! 43歳で思いつく構想は、確実にこれまでで一番自分らしい、最高の冒険となるはずなのです。それを実行できる可能性がある時間はあまり残されていないことも分かっています。『人生の最後に後悔することは、思いついたのにやらなかった事だ』と言われています。

 体力がまだある、43歳の今、挑戦するしかないのです。そして同じように遭難するのかもしれないという事です。冒険家という生き方は、すごいなあと思いますし、少し憧れる部分もあったりします。今出来る最大限の事に挑戦する生き方をすることが、息を引き取る間際に、何も後悔することがない最高の人生なのでしょう。

 我々は毎日普通に暮らしていて、自分が死ぬなんて思っていませんよね! 病院で沢山の人が病気や怪我で亡くなるのを目の前で見ていた蒼野も、自分だけは大丈夫と、妙にたかを括っていました。2020年の事故で、地面にぶつかるタイミングが少し早かったら、首が折れて死んでいてもおかしく無いという経験をしたことで、少し考え方が変わりました。

 今の日本でも、コロナや交通事故で、年間何千人も亡くなっています。突然戦争が起こってもおかしく無いのです。自分の順番が来て、明日死ぬかも知れません。そう思うと毎日が貴重ですよね! 蒼野も含めて、いつかはみんな死にます。死ぬ時に後悔しないよう、出来ることには挑戦したいと思う様になりました。

 健康であることで初めて、色んなやりたい事に挑戦することが出来ます。歳をとっても、やりたい事ができる身体が維持できるように、食事、運動、睡眠を整えていきましょう。身体は衰えますが、脳は死ぬまで高め続けられると言われています。蒼野はそこを目指したいと思い、アウトプットを続ける事にしました。

 去年の7月1日から毎日日記も書いています。読み返してみると、客観的に自分を見る事ができるのが新鮮です。毎日過去最高の脳みそ、最高の自分になっていると思いながら生きていると、ドーパミンが出て最高に楽しいです。事故の後遺症で運転やスポーツも出来なくなったけど、本当に気にならなくなりました。

 今までの医師としての経験と、健康オタクの知識と、今からの情報収集で、少しでも皆様の健康の役に立てる人になりたい蒼野でした。

参考ページ:   何でもやれると勘違いしやすい…「43歳」に多くの冒険家が命を落とすのは偶然ではない   https://president.jp/articles/-/56524

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