勝負の70代!

2022/03/01

 年代によって、健康法は少しずつ変化します。現在の日本では、健康寿命は平均寿命よりも10年短いと言われています。男性の平均寿命は81.6歳、女性は87.7歳ですから、70代というのは、ある意味勝負の年代になるのだと思います。今日は老化の分かれ道となる、70代の健康法について書いてみたいと思います。

 70代というのは、それまでの生活習慣によって、個体差がものすごく大きくなる時期です。1割の人は認知症になります。驚くほど若くて元気な人もいれば、70代で一気に老化して、動けなくなってしまう人もいるのです。正常老化は仕方がない事ですが、病的老化を避けて行くことは重要です。

 団塊の世代もみな、2020年には70代となっています。現在の70代の日本人は、これまでの70代とはまったく違うと言われていて、75歳くらいまでは、中高年と同等の健康状態を保てる人が増えてきています。健康な70代の10年間は、人生における「最後の活動期」とも言えます。健康長寿で過ごせるのか、介護になってしまうかどうかも、この時期にかかっているのです。

 運動不足の人で、問題になるのはロコモティブシンドローム(運動器症候群)です。転倒して足を骨折しても、若ければベッド療養後に普通に暮らすことができます。しかし70代で骨折して寝たきり状態が続けば、筋力が想像以上に衰え、自分で動くことさえ出来なくなるのです。

 蒼野も沢山お年寄りを診る機会があるのですが、元気な方は例外なく、毎日歩いたり、ゲートボールをしたりして、活動的に過ごしておられます。動物は動けなくなれば、死んでしまいます。人間も、あまり動かずに、毎日自宅でテレビを見て過ごしていると、健康寿命が短くなってゆきます。寝たきりにならないよう、転倒しない筋力を保つ必要があるのです。

 運動することが大切だと分かっていても、腰痛や膝痛などがあると難しくなります。痛み改善のための運動が必要になるのも70代です。まず痛みのある関節の上下の筋肉を鍛え、関節の可動域をストレッチで少しずつ広げましょう。続けてゆけば、痛みが改善してきます。

 もちろん、メタボリックシンドロームなどのコントロールは必要ですが、必要以上のダイエットは、この時期には必要ありません。70代以降のダイエットは、筋肉が少なくなるだけではなく、様々なホルモンなどの材料も不足してしまいます。食欲旺盛で、ちょっと小太りくらいが一番長生きすると言われているのです。

 男性の場合、男性ホルモンであるテストステロンは、加齢と共に緩やかに減少するのですが、ホルモンの材料となるコレステロールを摂取していないと、減少幅が大きくなり、意欲低下につながります。70代になると、肉もしっかり食べておくことが必要です。元気なお年寄りは、朝からステーキを食べるという話も聞いたことがあるのではないでしょうか?

 女性の場合は、閉経以降、女性ホルモンが急激に減少します。運動している女性は、意欲や健康を守るテストステロンの割合は増加し、活動的になる人は多いのです。テストステロンは、筋肉で作られるため、高齢になる程、男女共に筋トレの重要性が増します。

 女性ホルモンが減ると、骨粗鬆症のリスクが高くなります。骨の長軸方向に、毎日適度な負荷をかけることと、ビタミンDの不足を防ぐために、食事で補給したり、日光を浴びることが重要です。医学的には、女性ホルモンの補充療法も、さまざまな愁訴がある場合には選択肢の一つになるでしょう。

 70代は、そろそろ認知症の心配が出てくる年代です。認知症の有病率は、70代前半までは、世代人口の5%。70代後半に入ると8~10%弱に増えてきます。脳の中に溜まってくるのが避けられない、アミロイドβやタウタンパクなどによって、神経の脱落の影響が出てくる年代だからです。

 80代後半では男性の35%、女性の44%が認知症、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症になります。認知症が70代から進行してゆかないような生活習慣を、マスターすることがとても重要なことになるのです。

 脳トレは、高齢化時代となって流行っていますが、実は認知症の予防に関しては、効果があるというデータがありません。むしろ人とおしゃべりを日常的におこなったり、仕事や家事などの知的な作業を行うことの方が、認知症予防効果は高いようです。様々なことで生涯現役を貫けば、認知症のリスクは減ると考えられます。

 また、人との繋がりが、健康寿命を延ばしてくれます。コロナの時代ではありますが、地域の活動や趣味のつながりなどを大切にして、積極的に人と交わることで、認知症リスクは減ってゆきます。70代で一気に仕事を辞めて隠居生活になると、認知症は急に進んだりするのです。退職する前に、何か社会との関わりを持つことをする、と決めておくことが大切です。

 たとえ認知症を発症したとしても、今までしていた、農業や漁業などの仕事を続けている人は、認知症の進行が遅くなります。都会と田舎の認知症患者を比べてみると、都会の認知症患者は、家や施設で過ごすことが多い一方、田舎では近所を歩き回らせていることが多く、もし家に帰れなくなっていても、近所の人が見つけてくれるので困ったことになりにくい環境です。

 老化防止の最高の薬は仕事です。長野県は最近の統計では、平均寿命が全国トップレベルで、高齢者の医療費が全国最低レベルです。元気なお撮り寄りが多いという証明だと思いますが、実は高齢者就職率が都道府県のナンバーワンを何度も記録しています。就業率が高いと、長寿でしかも病気になりにくい可能性があります。

 沖縄県の男性の平均寿命は30位以降と全国平均以下で、就業率は全国最下位です。沖縄の女性は高齢になっても、家事を取り仕切っているオババが多く、平均寿命は全国トップをキープしています。同じ気候風土でも、就業率の差は、健康に大きな影響があることが示唆されています。

 環境の違いによって、認知症の進行の速さが変わります。認知症で出来なくなった部分があっても、仕事や家事を全て辞めてしまうのではなく、出来るものだけでも続けることで、認知症の進行は、遅れてゆきます。認知症の人でも働ける環境を増やしてゆくことが、高齢化社会ではさらに大切なことになると思います。

 蒼野も4月で62歳になります。生涯現役でいるために、仕事内容も少しずつ変化させてゆきたいと思っています。やはり一生、やりがいのある仕事がしたいです。筋肉を減らさないように、食事、運動、睡眠を整え、今と変わらない70代を過ごす準備をしてゆこうと思っています。 

参考書籍:  70歳が老化の分かれ道  若さを持続する人、一気に衰える人の違い   和田 秀樹

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