卑弥呼の地震予知!

2022/06/16

 お天気と片頭痛の話はかなり有名になっていると思うのですが、今日は片頭痛の人は地震予知も出来るかもというお話について書いてみようと思います。蒼野自身に片頭痛体質は無く、自分自身では分からないのですが、過敏な脳の持ち主である、片頭痛の方の中には地震が起こるのが分かる方が居られるようです。

 今年の1月15日のトンガの海底火山の噴火で島が無くなった週は、頭痛外来の患者様たちの一部が、酷い頭痛が続くと言われていたのは、とても印象的でした。話を聞いていると、天気も悪く無いのにどうしてでしょうと質問される方も居られました。

 天気痛、気象病というのは古くから知られており、1940年には論文も出ています。片頭痛と同じく、女性に多く、16482人のアンケートでは8割が女性です。天気で頭痛が起きる人の中には、大きな地震が起こる数日前くらいから頭痛が起こることに気づいている方も、居られるようなのです。

 2011年3月11日の東日本大震災の時にも、前後で頭痛が続いた人は多く、昭和大の研究で、『首都圏に在住する片頭痛患者に対する東日本大震災の影響』1)という論文も発表されています。片頭痛患者の5~6%の割合で「地震予知型片頭痛」と考えられる症例がいたとされています。

 地震の前には、地下で岩石破壊が生じ、パルス電磁波が発生します。それが地上に伝わり、人間の頭痛などの「体感」を引き起こす要因となると考察されています。確かに片頭痛は天気でも高率に生じるため、鑑別が難しくはありますが、最近ではスマホアプリの”頭痛ーる”などを見て、気圧の変動がないにも関わらず、酷い頭痛が続く時には、地震の可能性を考える必要があります。

 地震前兆研究家である百瀬直也さんは、片頭痛持ちで、地震頭痛があるそうです。最近のご自身の経験では、2019年7月末、天気と関係なさそうな酷い頭痛の後、4~5日後に福島県沖(距離約300km)、M6.4、最大震度5弱を記録したり、2020年9月8日の頭痛の時は、4日後宮城県沖(約410km)でM6.2、2021年11月30日から二日間続いた頭痛の時には、1~2日してから茨城県(約80km)でM5.0 、2~3日後に富士五湖付近(約50km)でM5.4、震度5の地震を観測しています。

 距離が遠い場合は強い地震、距離が近い場合には小さな地震でも予測ができるような結果です。百瀬直也さんは、頭痛が起きると3~4日後までに(自身が暮らす)関東圏の近辺で地震が起きることが多いことを自覚されています。

 地震予測頭痛がある人のアンケート調査では、ほとんどの頭痛体感者は、地震の「1~3日前」に頭痛が起きることがわかったそうです。興味深いですね! 以前卑弥呼は雨や台風、雷が予測できたのだろうとブログ( https://blue-zone-life.com/卑弥呼の予知能力/ )に書きましたが、地震も予測していた可能性は高いですね!

 もう一つ蒼野が最近知った巨大地震のメカニズムの仮説も、地震の前に地球の奥で変化が起こるというものなので、感度の鋭敏な片頭痛患者様が、これを感じているということの裏付けになるのかもと思ったので、書いておきます。

 蒼野が習ってきた巨大地震のメカニズムはプレート説です。地球の表層部に広がる十数枚の冷たい固い岩板(プレート)がゆっくり動くことで、ぶつかって歪みができ、急に跳ね上がることで地震が起こるというものです。日本は北アメリカユーラシアプレートと、太平洋フィリピンプレートがぶつかるところにあるので地震が多発すると教えられてきました。

 しかしプレート説は最近の研究により、かなり矛盾点が出てきているようです。マントルトモグラフィーという技術が発達して、地中の動きが正確に分かるようになると、マントルが対流していないことや、プレートは点在しているのでぶつかっているのはごく一部であることなどが明らかになっているそうです。またこの説は火山噴火との直接の関連が説明できません。

 米国地質調査所(USGS)が2012年から公表するようになった地下660kmまでの地震のデータを解析した地震学者、角田史雄埼玉大学工学部名誉教授の説は、「熱移送説」といって、数百キロ地下の高深度大地震と大火山噴火のとのデータの関連がよく説明できる仮説となっています。

 地球の地下2900kmより内部の2200~5000度のマグマが、地球表面に向かって湧き上がり、地下660~410kmにある、地殻のすぐ下に位置する上部マントルの移行部に達すると、その熱で岩石が膨張して割れることで、深発地震が発生します。

 その後マグマはさらに地表へと噴き出し、火山の噴火などにつながり、地表が膨張して爆発して割れた時に、それが大地震になるという説です。吹き出し口はある程度決まっており、南太平洋のタヒチ~フィジー諸島と、東アフリカの2か所が、高熱流の吹き出し口になっているようです。

 南太平洋の吹き出し口からアジアに向かうルートが二つあり、このルートを通って日本の近くに高熱流が到達すると火山が噴火し地震が発生する、というものです。インドネシアからフィリピンに向かい台湾を経由して九州へ向かうルートと、フィリピンから伊豆諸島を経由して首都圏へ向かうルートです。確かに地震がよく起こる地域です。

 角田教授によれば、地震の始まりは地下の奥底で生じる深発地震です。地下410km~660kmでM5.5以上の深発地震が1カ月に5回以上連続で発生すると1年以内に環太平洋地域でM7の地震が起きる確率が80%を超える、としています。M7は震度5強~震度6弱の地震ですから、すごい被害につながるかはわかりません。この説では、阪神淡路大震災や熊本地震などの説明が、プレート説よりもしやすいようです。 

 昨今のニュースを考えると、阿蘇山の噴火や、トンガの島が吹き飛ぶような噴火、軽石被害を出した小笠原の海底火山大爆発、トカラ列島の群発地震、山梨県などに続発するマグニチュード6超の地震など、マグマが噴き上がってきている兆候は、多く見られています。

 角田教授は巨大地震がすぐに起きる可能性は低いとしながらも、現在は地震の活発な時期に入っているので間違いないようです。これらの兆候から、ここ1年以内にM7以上の地震が起こる確率は91.9%と予測されています。詳しく知りたい方は、ぜひ書籍も読んでみて下さいね!

 蒼野は皆様の恐怖を煽るつもりは全く無いのですが、人口が多い所で直下型のM7以上の地震が起こらないことを祈っています。地震予知型片頭痛の方が周りに居られれば、地下でのエネルギーを感じておられると思うので、直近の地震に備えることができるかもしれませんね!

 東日本大震災では随分心が痛みました。南海トラフや、首都直下型地震、富士山噴火など、本当に起こらないことを切に願っています。片頭痛持ちの妻と娘に、頭痛の状態を聞きながら、少しでも、いざという時に備えたい蒼野でした。

参考文献:1)首都圏に在住する片頭痛患者に対する東日本大震災の影響 

              ストレス科学研究 29 巻 p. 43-51 2014 年

参考書籍: 徹底図解 メガ地震がやってくる!   角田 史雄、藤 和彦

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