現代の依存症

2022/02/05

 今日のブログで、100本目となりました。いつも読んでいただいている皆様、本当にありがとうございます。毎日書くことを習慣にすることで、なんとか続くものだな、と言うのが今の気持ちです。毎日アウトプットすることで、少しずつ見えてくるものもある様な気がします、今日は、皆様が健康を守ってゆく上でも、楽しく暮らしてゆくためにも、大きく関係してくる「依存」について書いてみたいと思います。

 人間も動物の一種であり、自分が生存してゆくことに有利な行動を、取らせるために、脳には報酬系というシステムを備えています。逆に言えば、報酬系システムが作動するような行動を取ると、ドーパミンやエンドルフィンといった幸せを感じるホルモンが分泌されて、幸せで楽しい気持ちになれるということです。

 誰だって楽しく、幸せな気持ちで暮らしたいですよね。だから誰もが皆、報酬系が刺激される生活を望んでいます。近代社会になるまでは、報酬系を刺激するものは多くは存在しなかったため、依存は起こりにくく、大きな問題になることも少なかったように思います。

 社会が豊かになって、安易に報酬系システムを作動させる、様々なものが世の中に溢れる様になることで、依存症が問題になる様になりました。やめたくてもやめられなくなり、健康を無くしたり、家庭を壊したり、お金を使いすぎたりして、生活に支障が出てくるのです。

 具体的には、アルコール、タバコ、薬物、食などのような物質に対する依存症。それからギャンブル、買い物、恋愛・セックス、スマホ、ネット、占いなどの、行動に関する依存症です。特に物質依存は、健康に直接、悪い影響が出るものが多いと思います。

 依存症の怖いところは、まずは趣味、嗜好から始まり、ハマる状態になって、その行動や物に夢中になり、それがないと満足できない状態になることです。お酒が好きとか甘いものが好きとかは誰にでもある感情ではないでしょうか? 

 ほとんどの人は、ハマっていても、常識的に考えて、自分でセーブできます。しかしストレスがかかったりすると、より報酬系への欲求が高まります。何度も繰り返すことで報酬系の反応が悪くなり、もっと強い刺激でないとご褒美の幸せホルモンが分泌されなくなるのです。自分でも気付かないうちに依存症となり、アルコールや薬物、糖質の量やスマホの時間などが増えてゆきます。

 脳が報酬を求めてエスカレートした状態になると、 正しい選択ができなくなり、生活の中の優先順位が変わってきます。のめり込むことで、ますます快感・よろこびは感じにくくなり、焦燥感や不安、物足りなさばかりが増していく…という悪循環に陥っていきます。

 今まで書いてきて、蒼野が、皆様が健康長寿を達成するために、特に問題だと思っているのは、糖質や小麦依存、アルコール依存そしてスマホ依存です。これらが嫌いな人は少数派だと思いますし、だからこそ、気を付けないと誰もが依存になる可能性がある楽しみだからです。

 テレビのバラエティを見ても、グルメ番組を見ても、炭水化物と糖質が溢れています。白い3悪魔と呼ばれる、砂糖、白米、小麦粉にハマっている人は驚くほど多いのではないでしょうか? 糖尿病でなくても、食後血糖が140mg/dlを超えるような食べ方をすると、身体の中では糖化が起こり、炎症につながり、酸化してゆくため、病的老化が進みます。メタボリックドミノで我々のほとんどの死因につながる疾患の基礎となっていくのです。

 糖質や炭水化物は安く、みんなが買うため、大当たりする商売は「粉もの」と言われます。資本主義社会では、売れるものは正義です。売れた会社がスポンサーになるメディアでは、身体に悪くても、それをバッシングする情報は決して出てこないのです。逆にどんどん食べたくなるような情報ばかりが強調され、それが一般常識になっていきます。

 景気の低迷が続いて、みんなの賃金が上がらない状態では、毎食、野菜や果物、魚や肉を、お腹いっぱい食べて、糖質を適量しか食べない食生活は、難しいのも確かです。最近では世帯年収が低いほど、糖質炭水化物摂取が増え、肥満率が増加しています。でも節約した以上に、70歳以降の医療費がかかるとしたらどうでしょうか? 

 お酒のCM、ビールで『プワー!』というCMはどうでしょう? 冬は我慢できても、蒼野も時々ビールを一気飲みしたい衝動に駆られます。『酒は百薬の長!』(嘘なのですが…)と言う言い訳をして、ついつい量が多くなっている方も多いのではないでしょうか?

 アルコールはドラッグと同等の薬物です。短期間では影響は出にくいのですが、20年以上かけて依存症になります。そして依存症に本人は気づけないことが多いのです。肝臓がアルコール性脂肪肝になるだけではなく、脳も萎縮しますし、睡眠も破壊されます。アセトアルデヒドによる糖化反応が進んで、病的に老化してゆくのです。

 最後にスマホです。公共交通機関に乗って見ていると、座っているほとんどの人がスマホを覗き込んでいます。スマホが出てきてから、人間が1日に得ている情報量は500倍以上になっていると言われており、脳疲労の原因となっていますし、不眠の原因にもなっています。

 特に若い世代では、コロナ禍もあって、スマホとネットがなければ生きていけない状態になっています。スマホを覗き込んで、首凝りが増悪し、自律神経が不調になる人も跡を絶ちません。もう元には戻せないことはわかっていますが、スマホの出現で、蒼野が子供の頃の生活と比べても、生活の全てが激変していると思えます。

 スマホの中には、報酬系を刺激するシステムが、これでもかと言うくらい組み込まれています。免疫のない若い世代の脳がおかしくならないか、とても心配です。スマホ依存症になっている人も、爆発的に増えていて、スマホが原因で不調が増えているのを診察室で感じています。

 そこで蒼野は、国民全員が、『運動依存症』になってほしいと願っています。毎日身体を動かさないと気持ちが悪い。運動せずには居られないという状態が、健康増進にとっても、運動による、脳の報酬系への作用から見ても理想的だと思うのです。

 運動こそが、脳が人類の生存の可能性を広げるために、報酬系を活性化する本来の手段として、遺伝子に組み込んできた方法なのです。

 100本目のブログ、今まで書いてきて、大事だなあと思うことが、少しまとめて書けたでしょうか? これからも書きながら、自分自身、成長してゆきたいなあと思っておりますので、皆様よろしくお願いいたします。

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