睡眠 その1

2021/11/14

今日は睡眠について書いてみます。

 狩猟採集民族に不眠症はいません。2015年にカリフォルニア大学が、タンザニアやナミビア、ボリビアの狩猟採集民と寝食を共にした研究によると、全員が寝つきが良く、朝はすっきりと目覚めて、疲れが取れており、平均睡眠時間は5.7~7.1時間だったそうです。

 日没後も3時間くらいは活動しているようですが、その後に、焚き火などを囲んで、みんなで就寝します。原始人の遺伝子に沿ったライフスタイルを守っている可能性が高く、原始人とかけ離れた生活リズムで暮らしている現代人も、できるところは取り入れたいものです。

 人類の体内時計のリズムは、25時間と言われており、これは原始時代に、集団で眠る際に、敵を見張るため、誰かが起きているように、地球のリズムとは少しずらすようになっているようです。睡眠リズムは90分周期で、Non REM睡眠とREM睡眠を繰り返しながら、徐々に朝に向けて浅い睡眠になっていきます。

 最初の3時間がとても重要です。寝入りばなに起こされるのが、一番健康に悪いのです。成人ですと寝入りばなのNon REM睡眠時間の90分に、1日の成長ホルモンの7割が分泌されます。成長ホルモンは骨も筋肉も丈夫にして、細胞を修復、免疫力を高め、新陳代謝を活発にし、脂肪を分解します。

 朝日を浴びると、体内でセロトニンが作られます。このセロトニンは14~15時間後に、睡眠を誘発するメラトニン分泌の材料となります。そして分泌2~3時間後にピークになり、深い睡眠へ誘導されます。25時間周期の体内時計をリセットするには、まず朝が重要になります。朝日を浴びて散歩すると、体内時計がリセットされて、良い睡眠につながります。

 朝が近づくと、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの分泌が始まります。血糖値と血圧を上げて、起床の準備を行うのです。朝日を浴びて、少し早足や大股でリズム良く散歩すると、コルチゾールが安定しやすいため、メンタルも安定し、ストレスもコントロールしやすくなるのです。

 現代にはこれらの、睡眠を破壊する環境にあふれています。                 1、夜間の光  2、日中のストレス 3、運動不足 4、飲酒 などです。

1、まず気をつけたいのは、寝る前に光を浴びないようにすることです。もともと太陽光にしか含まれなかったブルーライトは、現代ではテレビやスマホ、パソコンなどにあふれています。近年の研究では、ブルーライトこそが睡眠の質を下げる最大原因の一つと言われています。白色蛍光灯の下に1時間居ただけで、睡眠に必要なメラトニンレベルは半減するのです。

 就寝1時間前から、画面を見ないことは心がけましょう。ベッドにスマホを持ち込んではいけません。夜中にスマホで時間を見るのもやめましょう。スマホの画面表示は、設定を変えられるので、夜間はNIght Shift(i phone)を選択したり、ブルーライト対策アプリを入れましょう。パソコンも『f・lux』というフリーソフトがあるので設定しましょう。カーテンを遮光にして、窓の外の光が入らないようにしましょう。

 どうしても画面を見る必要がある人は、オレンジのパソコングラスを、夜間はかけておくのも、メラトニンを減少させないためには有効です。蒼野もかけていると眠たくなるので、効果があると感じています。楽天で99.9%ブルーライトカットのグラスで、一番安い製品は下記ですのでご参照下さい。

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2、日中のストレスに関しては、職場環境や人間関係はすぐに改善できるものではありませんが、前回書いたように、運動が最もストレスホルモンである、コルチゾールを安定させて分泌を減らしてくれます。コルチゾール濃度が高い状態では、寝付けなくなるのです。

 コルチゾールは体内の炎症レベルに応じて、分泌が増えるため、食事には気をつけましょう。トランス脂肪酸や、揚げ物などのオメガ6、小麦製品などは少なくしてゆきましょう。夕食は健康長寿のためには、糖質少なめが良いのですが、コルチゾールを上げないために、食事の最後に少し糖質を摂ると眠りやすくなります。お昼に糖質を取りすぎると眠くなるのを利用する感じです。就寝の4~5時間前に根菜で摂れればベストです。

 深呼吸も良いです、息を吐ききってから、鼻で4秒吸い、7秒止める。8秒かけて口から吐く478呼吸法は、ヨガの呼吸から開発された睡眠に効く呼吸法です。1回に3セット、1日2回練習しましょう。

3、運動ですが、1日に最低30分、ウォーキングや軽いジョギングで良いので行えば、睡眠の質が上がります。ストレッチも効果的です。ただし就寝3時間以内に運動すると睡眠の質が下がるので注意してください。

4、晩酌等で、ある程度以上のアルコールが体内に入ってしまうと、最初の眠りには入りやすくなりますが、REM睡眠が阻害され、利尿作用もあって、喉がカラカラになり、トイレにも行きたくなるので、中途覚醒が増えます。代謝されて出てくるアセトアルデヒドは、交感神経を刺激してしまうので、身体を癒す、本来の熟睡ができなくなるのです。毎日健全な睡眠を障害し続けることは、体が修復できないため、大きな病気にもつながります。お酒は時々のお楽しみにするのが良いようです。

 最後に良眠のためには、体温をコントロールすることがとても重要です。就寝90分前に、湯船に15分は浸かって、深部体温を上げましょう。深部体温の低下が眠りを誘うので、自然の良い睡眠に入りやすくなります。そのための室温は15.5~20度がベストです。

 原始人は1人ではなく集団の中で寝ていたので、揺らぎのある小さな音を流すのも、良眠のテクニックです。焚き火や波の音、雨だれなどの環境音をアプリで流すのも良いでしょう。アプリは『ホワイトノイズHQ』などの小さな音で眠りにつくのがお勧めです。

 以上 本日は情報量が多くなってしまいました。人生の1/3は睡眠です。健康な毎日のため、ぐっすり眠って、明日もまた頑張りましょうね!

参考書籍: 一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書  鈴木 祐

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