若返り生活術!

2022/07/07

 今日は、オートファジーを活性化し、アンチエイジング、ひいてはリバースエイジングにつながる生活習慣について、今分かる事を書いてみたいと思います。

 昨日も書いたのですが、老化は、種の保存に有利であることが多かったために、多くの生物でプログラムされたシステムです。老化しない動物もいる事を考えると、そのシステムが発動しないように働きかければ、老化しにくくなることがわかってきています。

 加齢と共に様々なホルモンが低下してきたり、増えてくるルビコンのようなタンパク質によって、オートファジーが働かなくなることで、細胞の中にゴミが溜まったり、傷ついた細胞内器官(オルガネラ)が修復されなくなります。すると細胞は正常の働きが出来なくなり、そういう細胞が増えてくると、老化し、病気を発症するということになります。

 しかし調べてみると、加齢と共に脂肪細胞の中ではルビコンが減ってしまい、オートファジーが異常に亢進することで、加齢に伴う痩せや虚弱に繋がることも分かったそうです。抗老化薬という形で、むやみに体内の細胞のオートファジーを全て促進してしまうというのは、副作用が出る可能性がありそうです。

 効果的には少なくても、食事の中に含まれるオートファジーを促進する成分を摂ったり、生活習慣を整えて、オートファジーを活性化したりすることが、最も副作用が少なく、安全であろうと蒼野も思いますので、現時点で分かっていることを提案したいと思います。

 動物実験では、寿命を伸ばす方法は既に沢山見つかっています。まずはカロリー制限です。これはオートファジーの活性化と共に、サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)も活性化することが分かっており、ショウジョウバエの寿命は30%、線虫の寿命は50%も延びることが判明しています。

 哺乳類の実験でもアカゲザルを20年間、摂取カロリーを30%制限したところ、制限した群は、体毛や肌も若々しく、寿命も伸びることが確認されました。しかしこれを我々が取り入れるのは、そう簡単ではなさそうです。昔から腹八分目とは言いますが、もう少し食べたいのに、いつも少し我慢する食生活は、蒼野自身は続けてゆく自信がありません。

 そこで有効なのが、16時間ファスティングです。オートファジーは空腹で促進される事と、3食分を2食で食べるのは、よほど胃がが大きくないと難しいことから、1日2食の生活にしてゆくことは、カロリー制限につながり、蒼野自身でやってみても、続けやすくお勧めです。

 実験的には、雄は生殖細胞の除去という方法も、寿命を延ばすそうです。古代中国や朝鮮王朝では、宮廷で使える男は去勢され、宦官となりましたが、当時の寿命よりも14~19年も長生きしていたそうです。100歳以上生きた記録も残っており、生殖が行えなくなると、個体の寿命が伸びるのは実験動物も同様のようです。しかしこれは取り入れるのには、勇気が入りますね!

 運動で言えば、ジョギングやウォーキング、筋トレなどで筋肉を動かすと、筋肉細胞内でオートファジーが発動します。少し脈が早くなるような運動を行うと、心筋細胞でもオートファジーが働くため、心機能も改善されるというデータも出ています。ファスティング中に、スクワットや腕立てなどを、20分程度行うだけでも効果は絶大です。

 寒冷刺激もオートファジーを活性化します。サウナの水風呂や、雪見温泉は最高ですね。風邪をひかない程度の薄着も、長寿につながると思います。これらはアプローチはそれぞれ違っても、全てオートファジーを介した健康長寿の方法になります。薬でオートファジーを止めて、カロリー制限などを行っても、寿命は延長しないことが実験で証明されています。

 睡眠は重要なファクターです。オートファジーは睡眠中に活性化し、体内時計に従って管理されているようです。概日リズム(サーカディアンリズム)を守る生活で、最大化するため、毎日規則正しく生活することがアンチエイジングにつながります。不規則な生活をしていると早死にしやすいのです。

 オートファジーは食べると、止まりやすくなるため、寝る直前に食べる生活はNGです。少なくとも食後3時間してから眠るように工夫しましょう。高脂肪食はルビコンを増やし、オートファジーを障害することが分かっています。特に動物性脂肪、揚げ物は摂りすぎないよう注意しましょう。

 高脂肪食でルビコンが増加すると、脂肪肝が起こります。実験では、ルビコンの遺伝子を破壊した動物では、高脂肪食を摂取していても脂肪肝は起こりません。脂肪肝は効果的な薬もない上に放置すると、最終的には肝癌などの命に関わる状態にも繋がることから、オートファジーを活性化し、脂肪と糖質摂取を控えてゆくことが何よりの予防となります。

 食事の中でオートファジーを活性化する成分は次の通りです。

カテキン(緑茶)

アスタキサンチン(鮭、イクラ、エビなどの赤い色素成分)

レスベラトロール(ブドウ、赤ワイン、特にカベルネソーヴィニヨンに多いとのことです)

グルコサミン(カニやエビの殻など)

スペルミジン(納豆、味噌、きのこ、チーズなど発酵食品) など

 この中で特に注目されているのが、スペルミジンです。ケンブリッジ大学の研究で、古くなって抗体産生能力が低下した、ヒトの免疫細胞にスペルミジンを振りかけると、再び抗体を産生できるようになることが観察されました。一旦老化した免疫細胞が、若返ったとも言える実験であり、世界が驚きました。

 スペルミジンはポリアミンの仲間で、和食にも、地中海食にも多く含まれる豆や魚、貝などに含まれる成分です。一番多く含まれるのは納豆です。欧米の学会で発表された時には、納豆を好まない欧米人からはどよめきが起こったそうです。ヨーグルトや味噌の4~5倍も含まれ、特にひきわり納豆は1gにつき75.2μgと、普通の納豆の56.1μgよりも多く含まれています。

 スペルミジンも細胞内で作られている物質ですが、加齢と共に減少してゆくのです。ビフィズス菌が作ることもできるため、食事内容が良ければ、糞便中にも沢山見つかります。実際に健康長寿のヒトの腸内にはスペルミジンが、平均の2倍も見つかるケースがあるのです。

 スペルミジンはアルギニンがあると、腸内の合成が促進されるため、肉なども一緒に食べると効果的です。しめじやエリンギ、マイタケなどのきのこにもたっぷり含まれますので、意識して摂りましょう。スペルミジンを投与したマウスの寿命は、実験では25%延伸しています。

 現時点でオートファジーを活性化してくれる薬物としては、糖尿病に使うメトホルミンが注目されています。メトホルミンで治療した患者の生存率が、非糖尿病患者よりも高いことが知られるようになり、現在米アルバート・アインシュタイン医科大学で、3000人の観察研究が行われています。

 ザクロやベリー、ナッツなどに含まれるエラグ酸が腸内細菌で代謝されてできる、ウロリチンは、オートファジーを活性化するだけでなく、サーチュイン遺伝子の活性化にもダブルで有効であることが発見されました。しかし腸内細菌叢の種類によるため、ザクロなどを食べても、ウロリチンが作れるのは55%程度のようです。

 そのためウロリチンはサプリメントで摂るのが有効のようです。しみやそばかすの原因であるメラニンの生成抑制効果や、男性型脱毛症(AGA)の原因物質の生成抑制効果なども分かっており、ミトコンドリアの若返りと活性化の作用を有する注目のサプリメントになっています。

 最後はNMNです。サーチュイン遺伝子を活性化し、老化の司令を出す視床下部の神経細胞を活性化します。NMNを投与したマウスの健康寿命が、メスで16.4%、オスで9.1%延伸しました。こちらもサプリメントで売られています。

 皆様がこれらを実践し、実年齢90歳でも、40歳代のようにバリバリ働ける世界になれば、少子高齢化問題や、老後資金問題も解決です。病気にならないために、医療費も大幅に削減可能となり、医療は治すのではなく、予防するという時代になるような予感がします。

 これこそが蒼野が理想とする健康長寿への道に大きく近づく知識ではないかと思います。自分の生活になるべく取り入れながら、生命科学の発達を見守りたいと思っています。明日からのお弁当に、ひきわり納豆を入れてくれるよう頼んだ蒼野でした。

参考書籍: LIFESCIENCE  長生きせざるをえない時代の生命科学講義     吉森 保

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