16時間ファスティング

2021/12/19

 今日は、蒼野が7月末から始めた、完全16時間断食について書きたいと思います。

 蒼野の場合、ダイエット目的という理由ではなく、去年の交通事故で、まだ少し遠くのものが二重に見えてしまうという後遺症を、少しでも治してゆきたいと思う気持ちからでした。

 理論的には、2016年にノーベル生理学・医学賞に輝いた大隅良典先生が発見した、オートファジーという原理を活用した、健康を維持するための断食です。

 16時間の断食時間を設けることで、体内のグリコーゲン(糖質)が枯渇し「飢餓状態」になることで、細胞自身が、自らの古くなった細胞内器官やウイルス、がん細胞などを自食(オートファジー)し、エネルギーを生み出します。

 細胞の老廃物が消失し、新しくなることで、細胞自体が新品に生まれ変わり、若返ることで、健康的な体を取り戻せるという、夢のような方法なのです。蒼野の傷んでいる右外転神経が、生まれ変わることを期待して始めたという訳です。

 代謝能力がアップし、脂肪の燃焼が進むことから、ダイエットにおいても非常に有効な方法だとして、一般的にも広く知られるようになり、現在流行っているダイエット法でもあります。

 食事を終えてから、数時間から半日程度で体内の糖質が枯渇し、この時点で、身体を動かすエネルギー源は、基本的には、体に蓄えられた脂肪だけとなるので、ここから脂肪燃焼を中心としたエネルギーサイクルに変わり、脂肪が減ってゆくのです。

 注意点としては、まったく糖質がない状態では、糖質の生成も必要となってくるため、タンパク質を分解することで糖を生み出す「糖新生」という働きが同時に起こってくることです。そのため脂肪だけではく、筋肉の減少も起こるため、筋トレが必要となります。

 断食中は、成長ホルモンの分泌も、1日中亢進するというデータもあり、少し多めのタンパク質(体重×1.2~1.5)gを摂取しながら、筋トレを続けることで、筋肉の大幅な減少は防げると言われています。

 筋肉が減らなければ、代謝が下がって、リバウンドすることもありません。蒼野がやってみた感想では、8時間の間は、ある程度好きなものも食べることもできるので、毎回の食事量を、我慢して、腹7~8分目に抑えるダイエットよりは、よほどストレスのかからない方法だと思いました。

 元々蒼野は、精製糖質の害を認識していたため、10年以上前からゆるい糖質制限は行なっていました。血糖値が安定していれば、断食中にお腹が減ることもありません。ただ朝食を、ブラックコーヒーや緑茶、レモン水、レモンティなどに変え、普通に13時に昼食、20時に夕食を食べるようにしただけです。我慢していないし、苦しくもないのでずっと続けようと思っています。

 自宅の体脂肪計付きの体重計では、変化が分かりにくいため、月に1回は、タニタ食堂に行って、Body Composition Analyzerで、正確な測定を行なってきました。それではデータを発表したいと思います。

 7月の後半辺りから、完全16時間断食に入り、現在まで毎日続いています。身長は166cm 若い頃より縮んでしまいました(泣)

       8/19        9/16     10/14     11/18      12/16

体重     59.6   59.0       56.5         56.3         55.9   kg 

BMI.                  21.6        21.4        20.5         20.4         20.3

体脂肪率          13.2       10.8          9.6           9.4          9.2    %

脂肪量                7.9         6.4           5.4           5.3          5.1    kg 

筋肉量               49.0       49.9        48.4         48.3         48.2   kg

 筋肉量に関しては、上肢と体幹部は8月と12月で全く同じ重さで、下肢が400gずつ減少していました。歩いていたし、4日に1回はスクワットも、16kgのダンベルを持ってしていたのですが、体重が軽くなったことで、日常生活で下肢にかかっていた荷重が軽くなったことと、白筋が歩行用の赤筋に変化したためではないか、と考えています。  

 残念ですが、複視に関しては、はかばかしい回復は見られていません。まあ後遺症診断が確定したくらいですから、変化すること自体おかしいのですが……。体脂肪率は自分でも信じられないくらい落ちました。大学でサッカーしていた時よりも細くなったと思います。でも毎日気分も良く、風邪やコロナも引くことなく、元気に過ごせています。

 小学校の頃は肥満児で、元々太りやすい体質でした。今までも、時々ダイエットに取り組み、かなり厳格な糖質制限や、数々のサプリなども試していましたが、こんなにすんなり体型が変わったのは初めてです。16時間断食自体、認知症予防や、糖尿病の根治も可能な方法です。蒼野自身は、辛いことは何もなかったので、強くお勧めしたいダイエット法になります。

 ただ、16時間断食でうまく痩せれない人もいるようなので、いくつか注意点を挙げておきます。

1、元々欠食気味で、朝食も抜きがち、知らない間に16時間食べていないような生活を送っている人は、改めてこの方法を始めても、変化はしにくいと思います。  

2、8時間の間に食べ過ぎる人、飲酒で食欲が亢進したり、食事内容の大半が超加工食品であったり、スナック菓子やジャンクフード、清涼飲料水を摂りまくったりすれば、かえって太ることになります。断食時間を苦もなく過ごすためには、8時間の間に血糖が乱高下するような食事は、避ける必要があります。野菜、汁物+おかず、主食の順で食べましょう。

3、早食いの人、満腹ホルモンであるレプチンが分泌されるのは、食事開始から20分以上してからです。5~10分以内に食べ終わっている人は、必要以上の食事量になっている可能性が非常に高いです。食事は20分以上かけて、よく噛んで食べましょう。食事時間が1.5倍になると、食事量が9%減少し、2倍になると、14%減少するからです。

4、食事だけで運動しない人、効果が出ている人は最低でも、週2回以上、30~60分程度の運動をしています。運動量が多ければ、短期間で結果が出ます。筋トレ+有酸素が最高です。脂肪を早く減らしたいなら、断食時間中に有酸素運動すると減りやすいです。しかし筋肉も落ちやすくなるため、筋肉のキープを重視するなら、食後の運動がベストです。脂肪を燃やすために、ビタミンB2やαリポ酸、CoQ10なども、補給しておくと脂肪が燃えやすくなります。

5、寝る直前に食事をする人、寝る2~3時間前には食事を済ませましょう。睡眠の質も下がりますし、脂肪分解が進まず、脂肪が蓄積しやすくなります。 

 今まで糖質燃焼体質だった人では、以上5つのことに気を付けて、最初の1週間(糖質過多だった人は、大きな変化なので調子が悪くなることがある様です)を乗り越え、脂肪燃焼体質に変わることができれば、その後は苦もなく続けることができると思います。もちろん食事や生活を元に戻せば、リバウンドすることもありますが、我慢もせず、苦しくもなければ、何も考えずに続けることができるのではないでしょうか?

 一生続けられて、リバウンドしないダイエットが、究極のダイエットです。何か持病をお持ちの方は、もちろんかかりつけ医との相談が必要ですが、健康長寿のためにも、是非トライしてみてくださいね。蒼野の患者様でも、順調に体重が落ちている方が、何人もおられます。身体が変わってゆくのって楽しいですよ!

 持っているズボンや上着が合わなくなり、生まれて初めてオーダースーツを頼んでみようと計画している蒼野でした!