50歳からのダイエット!

2021/11/25

 今、日本では、百寿者(センテナリアン)と呼ばれる100歳以上の高齢者が年々増加しており、令和3年9月1日現在で86,510人(前年比+6,060人)、女性の割合は約88%です。しかし全体の80%が要介護、寝たきり、認知症などの問題を抱えており、元気で自分で動ける、身体機能の高い方は全体の20%程度です。その20%の方は栄養状態が良く、糖尿病、動脈硬化が少なく、炎症反応が低いことが分かっています。

 人生100年時代がよく口にされるようになりました。介護されることなく、死ぬまで元気な100年が生きれるのであれば、長生きも悪く無いですよね! そのために重要なのが、50歳からのライフスタイルです。人間の体は50歳を境に大きく生理機能が変わります。

 50歳くらいを境に、体の中のエネルギーを生み出すエンジンが切り替わることが分かりました。若い時は、糖を燃やす『解糖エンジン』がメインエンジンになりやすいです。抗酸化システムも元気ですので、ある程度の糖質を食べていても、消化され、すぐにエネルギーに変換されるため、糖質の害は出にくい年代です。

 しかし50歳くらいから、メインエンジンは『ミトコンドリアエンジン』となります。ミトコンドリアは酸素を燃料として、糖質と脂質のどちらからも、エネルギーを取り出します。糖質を摂りすぎると、血糖スパイクを起こし、酸化ストレスや体内炎症を増加させる原因になります。歳をとったら脂質を主に利用して、持続的にエネルギーを供給する方が安全です。

 そのため、50歳を過ぎたら、必要以上の糖質は控えるべきなのです。WHOの1日の推奨糖質量は25g以下です。すぐに糖質に変化してしまう、精製穀物(白米や小麦粉)もなるべく避けることが重要です。50歳を超えると、日本人の健康を害する4大疾病である、がん、虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病は増加してきます。これらは全て活性酸素が関係している病気なのです。

 がん細胞は、高糖質、低体温、低酸素の三拍子が揃うと、活発化します。毎日体の中で、3000個~1万個のがん細胞ができていると言われています。がんの死亡率は50歳を過ぎたくらいから、急速に増えてきて、年齢が進むごとに高まります。体を温めて、糖質摂取を減らし、有酸素運動をして、がんが育ちにくい体内環境を保ちましょう。

 50歳を過ぎたら、炭水化物は、血糖値の急上昇しにくい、食物繊維の多い、さつまいもや、玄米、五穀米、もち麦ご飯、や豆類で摂るのがお勧めです。白米、パン、麺、もちろんお菓子は、一度に沢山食べない様にしましょう。1日トータルで、120~140gくらいの糖質量が良いと思います。もやしをチンして、岩塩とオリーブオイルをかけたものを主食として食べるのは、蒼野の定番レシピです。

 もう一つ、50歳を過ぎてから、はじめて動き始めるシステムがあります。加齢に伴いそれが働かなければならない状況になった、『長寿遺伝子』です。これは若い時には、ONになりにくいと言われており、50歳過ぎてからONにできるものなのです。

 長寿遺伝子をON にする方法は、カロリー制限です。肥満の人は長寿遺伝子をONにするのが、難しいと言われています。50歳以上からが、健康のためのダイエット適齢期なのです。しかしストレスがかかるダイエットは、コルチゾールによる活性酸素の発生も多くなるためNGです。

 一つは主食と間食を減らす、糖質制限ダイエットです。蒼野が糖質制限に目覚めたのは10年前、ちょうど50歳くらいの時です。運動はしていましたが、166cmで70Kg手前まで体重が増えていました。糖質制限を始めると、半年で5kg、妻は10kg減量しました。今よりも徹底して、野菜の糖質なども含めて、糖質カットしましたが、その分、肉、卵や、低糖質のお酒が増えたので、健康的だったかについては、今考えると、そうでもなかった様に思います。

 もう一つの長寿遺伝子のONが、16時間断食です。去年事故にあって、16日ほど入院している間、毎日病院食で白米を食べましたが、退院すると、ここ10年ずっと63~64kgくらいだった体重が61kgくらいに減っていました。おそらく筋肉が落ちたのだと思うのですが、毎日あんなに白米と食べても痩せるんだと驚きました。退院後は後遺症の複視を治すためにもと思い、本でオートファジー、DNAの修復などを調べて、長寿遺伝子活性化の切り札である、16時間断食を始めました。

 週に1~2回位から、恐る恐る始めたのですが、慣れてくるとあまり空腹にならないことに気づきました。無理して食べなければ、1食に食べれる量はそれほど増えないため、毎日歩くのもあって、体重は60kg前後で推移。1日トータルでのカロリー制限にもなっており、長寿遺伝子活性化計画は着々と進みました。

 無理なく、空腹にもならずにできることから、7月半ばに、毎日16時間断食する様になりました。すると、体力はむしろついてきているのに、体重はスルスルと落ちてゆき、現在56kgと大学生の時の体重に戻っています。筋肉が気になるので、タニタ食堂のボディスキャンで上肢、下肢、体幹の筋肉量も月に一度モニターしています。11月、体脂肪率は9.4%まで下がりましたが、筋肉量は少しずつアップしてしています。

 あくまで蒼野の経験からなのですが、50歳以降のダイエットは、朝食を、ブラックコーヒーやお煎茶、レモン水などポリフェノールを含む飲み物に置き換えて、昼、夜を8時間以内に食べる16時間断食が、やり易くて、抜群の効果がある方法のように思っています。

 蒼野の場合は、お酒のカットも大きいとは思いますが、玄米や野菜の糖質は、以前よりは増やしており100~150gくらいは食べていると思います。毎食後ダークチョコとナッツで満足する様にしています。スイーツも時々、少量食べているため、ストイックに我慢している感じはありません。ダイエットはずっと続かなければ、健康効果は少ないと思いますので、自分に合った方法を見つけて、習慣にしてしまうことが大事です。

 若い時には、炭水化物も含めていっぱい食べて、バルクアップして、筋トレして、ムキムキで、魅力的な身体を手に入れるのもいいなあと憧れます。蒼野もあと30年若ければ……。健康長寿を目指し、高齢介護生活を避けるためには、50歳以降が、鍵になります。いつからでも遅くは無いと思います。少しずつ新しい生活習慣を取り入れていきましょうね!!

参考書籍: 50歳からは炭水化物をやめなさい    藤田 絋一郎

50歳からは炭水化物をやめなさい 病まない・ボケない・老いない腸健康法 (だいわ文庫) [ 藤田紘一郎 ]
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