ミラーニューロンで夢を叶えましょう!

2023/04/18

 今日は脳の不思議の中でも、蒼野が重要だなあと感じている、ミラーニューロンの話です。先週末、東京で「著者になりたい人のためのセミナー」に出席し、すでに著者になっている人やそれを目指す人達の間で時間を過ごしていると、自分も著者になれそうな気がしてきました。子供は親を見て育ちます。新しいことを身につけるとき、人は周りの人を、この脳の鏡=ミラーニューロンに映すことから始めるのです。

 学ぶと言うのは、真似るから来た言葉だという説があります。ミラーニューロンをフル活用すれば、見るだけで真似して覚えてしまうのです。人が楽しそうにやっていることを見るとやってみたくなりますよね! 一流の人一緒にいると一流になってゆくのが道理なのです。

 ミラーニューロンは共感の脳だと言われます。別の言い方をすると、他者がしていることも、自分がしていることも区別がつかないのです。他者を褒めると、自分が褒められた時の反応が、自分の脳に起こります。他人の悪口を言うと、悪口を言われた時の反応が自分の脳に起こると言うことなのです。

 1996年、動物の行動を司る神経細胞の研究中に、マカクザルの下前頭皮質に電極を設置すると、目の前の人が餌を拾い上げたのを見たマカクザルが、マカクザル自身がエサを取る時と、同様の活動を示すニューロンが発見され、鏡のように脳に映し出されたと言う実験を分析し、ミラーニューロンと名付けられました1)。

 この発見は、「DNAの二重螺旋構造の発見以来の最大の科学的発見」とも言われています。相手の行動を脳内の鏡に映して、自分のことのように感じることで、「相手がどう感じているか」が推測できる働きを持っていることが分かってきたのです。怪我をした写真を見れば、「痛そう」と思いますし、笑顔を見れば自分も気分が良くなります。

 もちろんミラーニューロンの活動性には、個人差があります。空気が読めない人は、ミラーニューロンの活動は低下気味ですし、HSPの人は、ミラーニューロンが他者の気持ちを活発に映し出すことで、自分以上に他人が気になってしまいます。

 毎日気分よく過ごすには、ミラーニューロンの応用はとても重要です。利他的に行動することで、周囲を喜ばせると、自分も嬉しくなるのです。他人を助けたり喜ばせると、他人の感情がミラーニューロンを通じて、自分自身の満足感や達成感につながります。オキシトシンやセロトニンが活性化し、絆や信頼が増し、幸福感や安らぎがもたらされるからです。

 現代社会では、この逆が多く見られます。ニュースに取り上げられるのは、前向きで明るい話題よりも、事故や災害、犯罪、迷惑行為などの比率が高いのです。人類は進化の過程で、生き残ることが命題でしたから、危険を回避する必要があり、脳が自然とリスクや危険な情報に対して敏感になるよう進化してきました。ネガティブなニュースの方に惹きつけられやすいことから、視聴者の関心を引くために、あえてネガティブな情報が多くなりやすいのです。

 『ニュース断食』という言葉があります。ネガティブ報道を見ないことが、メンタルヘルスやストレス管理、集中力の向上に役立ちます。心が弱っているときには、あえて明るいニュースをチョイスすることが重要です。ミラーニューロンによって、事故や災害や犯罪に、毎日自分の脳が巻き込まれるのは、避けておく方が健康的です。

 もともとあるミラーニューロンの遺伝子が、家族やさまざまな人との触れ合いの中で、4歳くらいから、「自分」と「他者」を理解するようになり、他人の気持ちがわかる共感力へと育ってゆきます。これは、自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害や精神疾患などで、上手く育っていかない場合があることも示されています。

 ASD以外にも、統合失調症や前頭側頭葉編成症(FTLD)などで、ミラーニューロンの働きが弱く、他人の感情や意図を理解する能力が低下し、コミュニケーションが上手くいかなくなることが報告されています。

 しかしトレーニングすれば、ミラーニューロンの働きは改善が期待できます。映画やドラマなどを見て、登場人物の気持ちを考えたり、他人の言動や表情をあえて真似したり、マインドフルネスで自分の気持ちを見つめたり、カウンセリングを受けたりすることが有効だと言われています。

 軽い自閉症スペクトラム障害(ASD)を自認している蒼野も、日々のトレーニングを心がけたいと思います。一般的な日本人には、個人よりも集団を重視し、他人の顔色を伺って、言葉にしなくても思いやれるという文化があります。『お•も•て•な•し』ですからね!他の国や文化と比較して、ミラーニューロンの活動性が高い人が多いようです。

 でもみんなが言葉にしなくても分かると言うのは誤解の元になります。ミラーニューロンの発達が追いついていない人を、集団でイジメて疎外するのもやめましょうね! その人は本当に悪気はないけど、人の気持ちがわからないのかもしれません。海外の人の気質も、日本だけに居たら理解しにくいかも知れませんね!多様性の時代ですから、ミラーニューロンの発達も人それぞれであることは意識しておきましょう!

 「似たもの夫婦」という言葉があります。ずっと一緒にいる人とは、ミラーニューロンの働きで、お互いの癖や態度が似てくるのです。ペットと飼い主が似てるというのもありがちですよね(笑)。蒼野自身小学校の頃から転勤族だったため、いろんな場所を点々としています。すると行った先の方言が出るようになるのは、ミラーニューロンの仕業だったのですね。

 夫婦の場合、あまりに似てくると喧嘩の原因になるようです。人は自分の嫌な所が一番目に付きます。長年連れ添っていて、やりたくない家事まで似てくると、押し付け合いになってしまいます。せっかく愛し合って結婚した相手ですから、お互い、家庭以外で色んな人との交流があった方が、意外と上手くいくのかもしれません!

 夢を実現するためには、自分の理想に近い人がいたり、同じような夢を持っている人とリアルで交流できるコミュニティに参加するのが、脳科学的にも正しいのだなあと、妙に納得してしまいました。『成功する鳥は群をなして飛ぶ』と言うのは、正しいのです。ミラーニューロンの働きを最大化するには、オンラインよりも、リアルで会うのが一番です。

 これからも、日々の言葉はできるだけポジティブに言い換えて、様々な人と会うことで、楽しみながら成長してゆきたいなあ、と思っている蒼野でした!

参考文献:
1)Understanding motor events: a neurophysiological study. Experimental Brain Research, 91(1), 176-180. 1992

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