ダイエットの基本はインスリンを減らすこと!

2022/04/04

 世の中には、食に関する情報は、星の数ほどあり、何が正しいのか分かりにくくなっています。食品産業は廃れることのない大きなビジネスですので、スポンサーが付いているマスメディアの情報は、ある一面のエビデンスを強調していることも多く、正しい理解ができにくいのです。

 今日は、糖尿病専門医の牧田善二先生の本を参考に、もう一度ダイエットの基本について書いてみようと思います。蒼野が小学生だった頃(50年前!)、親戚のおじさんが亡くなりました。その頃は脂が身体に悪いし、太るという情報一辺倒の時代で、おじさんは肉が好きで「毎日のようにステーキを食べていたから太って死んだのだ」と、皆が言っていたのを覚えています。

 当時、脂肪はカロリーが高いので太りやすく、肉は悪で、低脂肪であればあるほど良いという説が一般的でした。糖質制限の考え方が出てくるまでは、動物性の脂を減らすことが、健康食やダイエットの王道だったのです。低脂肪乳や植物性のマーガリンが、もてはやされていた時代です。

 科学が進むと、太る原因は脂肪の摂り過ぎでは無く、糖質の摂り過ぎである事が、分かってきました。発酵食品は、腸活に良いとされ、甘酒は飲む点滴などともてはやされていますが、100mlあたりの糖質量は18gとコーラの11.3gよりも多く、飲み過ぎると、糖尿病や肥満につながる一面も持っています。でも太るというマイナスイメージは、我々の頭の中にはインプットされていません。

 甘酒を売りたい人たちは、米と麹でつくる昔ながらの米麹甘酒の健康メリットを、酒粕と砂糖から作る酒粕甘酒にすり替えて、身体に良いと言って売っていたりするのです。ある意味、情報操作ですよね。皆様にはメーカー情報に左右されるのではなく、本当の知識で考えて、食事を組み立ててもらいたいと思っています。

 何度も書いていますが、現代の日本人の平均の食生活は、糖質を300g以上摂っていて、糖質中毒であり、糖質過多の状態です。アスリートや成長期には、多くのエネルギーが必要ですので、現代の食事でもエネルギーを使い切ることができるかもしれません。しかし、デスクワークなどの、身体をあまり使わない一般の成人では、理想的な糖質量は120g/日程度までです。痩せようと思うなら60g以下が望ましい量になります。これが中年以降に太る理由です。

 摂取された糖質、炭水化物は、消化酵素などで、ブドウ糖に分解され、血糖値が上昇します。インスリンが分泌され、肝臓や筋肉内でグリコーゲンに変えられ、貯蔵されるのです。貯められるグリコーゲンは100~200g程度と限られており、それでも余ったブドウ糖は中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄積します。つまり身体が太る原因は糖質、炭水化物なのです。

 ダイエットの研究結果で、「低脂肪食でカロリー制限」「地中海食でカロリー制限」「低炭水化物食でカロリーは無制限」という3種類のダイエットのうち、「低炭水化物食でカロリーは無制限」が最も減量効果が高いことがわかりました。インスリンが出ている状態では、体脂肪は分解されません。やせるためには、カロリー制限ではなく炭水化物を減らすことが重要です。

 全世界で、糖質、炭水化物の摂り過ぎが、疾病の罹患や、死亡率の上昇に影響していることがわかっており、細胞膜やホルモンの原料となる脂質に関しては、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、総脂肪量はすべて、摂るほどに死亡率が下がっていることも明らかになっています。

 現在厚労省が発表しているPFCバランスは、P(蛋白質)=13~20%、F(脂肪)= 20~30%、C(炭水化物)= 50~65%とされていますが、年齢(代謝)によって見直して行く必要があると思われます。加齢と共に、もっと摂取脂肪を増やして、炭水化物量を減らしてゆく必要があるのです。

 現代の食事で最も危ないのは、超加工食品です。うま味調味料であるグルタミン酸Na(MSG)等の食品添加物は、動物実験では、脳の視床下部に働きかけて、食欲を増進し、肥満の原因となります。ダイエットしたい方は、微量でも影響しますので、外食や調味料(アミノ酸等)と書いてある食品は避ける方が無難です。

 面白いことに、カロリー計算は必要ありません! アメリカやイギリスでの研究で、カロリーと体重増加に相関関係は無いという結論が出ているのです。カロリー消費量は、人によっても、状況によっても常に変化します。それを全て計算することは不可能です。摂取量が減れば、代謝を落として身体は対応します。太るかどうかはインスリン分泌の量にかかっています。 

 脂肪は1g当たり9kcalで、炭水化物の4kcal、タンパク質の4kcalよりも高いのですが、炭水化物がゼロで有れば、インスリンは出にくいため、脂肪をいくら摂っても基本的には痩せてゆきます。基本的にはというのは、タンパク質を多く摂ると、インスリンが出てくるため、脂肪燃焼が低下し、脂肪蓄積モードになることがあるということです。

 糖質は、赤血球などのエネルギーとして、最低限は必要ですが、必要量は1日60g程度です。タンパク質からの糖新生でも作ることができますので、痩せるのを加速しようと思えば、出来るだけ摂取しないことが重要です。ダイエットには、主食のコントロールが重要となるのです。

 1日の糖質を60g以下にすれば、誰でも痩せることができます。計算が面倒ですから目安の話をすると、ご飯普通盛り150gで糖質量は53.4gです。運動しない生活でしたら、調味料の糖質もあるため、1日にご飯1杯ということになります。麺は1玉、約55~60g、素麺などは2束で72.6gあります。食パンは6枚切りで28.9gですので、1食1玉食べると厳しいですね。パンも少量になってしまいます。

 『そんなの無理』という人は、こんにゃく米を混ぜてカサ増ししたり、こんにゃく麺や豆腐麺、蒼野家で登場回数が多いZENBヌードル(豆麺)、あんまり美味しくはないですがふすまパンなどを上手く使うと良いと思います。またすぐにエネルギーとして消費されやすい朝や昼に、炭水化物、糖質を摂り、食べてからの活動が少ない夜は控える方が痩せやすいです。

 食べる順番も重要です。食べる順番でインスリンの分泌量が変わるため、野菜、食物繊維から食べ始めて、おかず、汁物を沢山食べ、最後に主食を少し食べて満足するのが、鉄則です。蒼野は主食はたまにしか食べませんが、食事の最後にちょこっと高カカオチョコを食べたり、生クリームを食べたり、時には小さな和菓子を食べたりして、脳の報酬系を満足させるようにしています。

 落とし穴は、お酒です。脂肪になりにくい物ではありますが、食欲が進むため、酒の肴で糖質を摂らないにしても、タンパク量は多くなりがちです。沢山摂ってしまうと、糖新生が起こり、インスリンが分泌されて、痩せるモードは維持できません。お酒もカロリーはあるので、お酒のカロリーが消費されてしまうまでは、体脂肪は燃えません。ダイエットはストップしてしまいます。最速で痩せたい方、痩せる必要がある方は、結果が面白いくらい変わるので、断酒にもトライしてみてくださいね!

 ダイエットをやめて、過去の食生活に戻ると、どんなダイエットでもリバウンドします。もちろん痩せる必要がなくなれば、太らない糖質量の120g以下に戻して大丈夫ですよ! 健康長寿のためには、中高年期のメタボからの脱却がとても重要です。そしてダイエットを続けるためには、食事の満足度が絶対に必要なのです。

 各自の好みもあるでしょうから、病気になりにくい体重がずっとキープできるように、満足できて、報酬系を黙らせる食事法を見つけることが求められています。人間ですから、時には食べ過ぎる時もあると思いますが、その時は3日以内に、運動を増やして消費しましょう。

 蒼野の脳の騙し方の必殺技は、エリスリトール入りホイップクリームと、搾りたてレモン炭酸水、高カカオチョコに、少量の餡子をグラスフェッドバターに乗せて食べることです。インスリンが出にくくて、美味しいデザートですよ? 興味のある方は是非試してみてください!

参考書籍: 医者が教えるダイエット 最強の教科書     牧田 善二

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