冷水シャワーは良いことがいっぱい!

2022/11/29

 今日は蒼野が生活に取り入れてみたくなった新しい健康法について書きたいと思います。それは冷水シャワーです。今から冬になろうとしているのに、アホじゃないのと言わないで下さいね。調べてみると結構多くの論文で、エビデンスが揃ってきている健康法なのです。

 寒冷療法や凍結療法の起源は古く、古代エジプトにあるとする研究は複数あります。近年見直され、クライオセラピーと言って液体窒素などを用いて、全身を短時間冷却することで、アスリートの試合後のリカバリーや、強靭な肉体のメンテナンスなどに利用されるようになってきています。

 サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手も愛用し、コンディションを整えたり、テニスのアンディー・マリー選手が、ウィンブルドンの準備のために毎晩アイスバスに入ったりしたというのは事実であるようです。筋肉の炎症を抑え、痛みを取り、疲労を回復させる作用があると言われています。

 世界各地で、寒中水泳が行われていたり、日本でも滝行があったりと、身体を冷やす健康法は昔から行われてきているものになります。しかしこれらの方法は我々が気軽にトライできる物ではありません。たまにサウナに行って、水風呂に入ると、蒼野も気持ち良さを実感します。身体も軽くなりますし、疲れが取れる気がします。

 探してみると、水風呂や冷水シャワーの健康に関する論文は幾つも見つかったので紹介したいと思います。2016年のオランダの研究では、3000人を4つのグループに分けて、1つ目は30秒の冷水シャワー、2つ目は60秒、3つ目は90秒、4つ目は暖かいシャワーとし、それぞれ1ヶ月継続しました。

 すると冷水シャワーを浴びた群は、浴びる時間に関わらず、暖かいシャワー群に比べて、病気休暇が29%減少していました1)。30秒くらいなら蒼野も浴びれるかもと思いました。論文では有意差のある事実のみで、確証はないものの、冷水シャワーが免疫システムに影響するからではないかと推測されました。

 事実、過去の別の研究では冷水シャワーなどの寒冷ストレスを毎日行うことによって、末梢の細胞傷害性 T リンパ球と NK 細胞の数と活性の両方を増加させる可能性があることが報告されています2)。冷水シャワー群では免疫細胞から分泌されるTNF-αやIL-2、IL-6などのサイトカインの血液レベルが上昇しており、癌や感染症に強くなる可能性が示唆されています。

 冷たいシャワーはダイエットにも有利に働きます。平均22歳の男性に、温度が32度・20度・14度の湯船に浸かってもらう実験では、14度の冷水の場合、新陳代謝が350%上昇しました。心拍数、血圧などは5%、7%~ 8% 増加し、血漿ノルアドレナリンとドーパミン濃度はそれぞれ 530% と 250% 増加しています。コルチゾールは減少する傾向で、ストレスは上昇していないようでした3)。

 水を使う治療についてのそれまでの論文をまとめたレビューでは、冷水シャワーに様々な効能が期待できると書かれています4)。

1、疲労の軽減、血流改善    皮膚表面が冷やされることによって、末梢の血管は収縮しますが、その深部の血管は拡張し、血流が多くなることで、深部体温を保とうとします。内臓への血流も増えるため機能が亢進しやすく、疲労に対しても軽減効果が認められます。

2、ホルミシスによるアンチエイジング効果   寒冷刺激は長寿遺伝子を活性化します。ホルモンや神経伝達物質も刺激され、成長ホルモンやテストステロンの分泌も多くなります。これらは加齢によって減少してくるものでもあり、若返り効果が期待できます。

3、抗うつ効果やモチベーションアップが期待できます。  週2~3回、5分程度の冷水シャワーで、アドレナリンやドーパミンが増加し、やる気がみなぎり、ストレスに強くなり、メンタルにも良い影響が期待できます。コルチゾールの分泌が抑えられ、ベータエンドルフィンやセロトニン分泌が増加することも報告されています。

 結構すごい効果だと思いませんか? 蒼野は昔から肩こりや頭痛、ストレスの多い自律神経失調患者様には温冷浴を勧めてきました。冷水でドッとアドレナリンが出るとその後反動で副交感神経が優位となります。皆様も露天風呂や、サウナの水風呂などの後はゆったりと気持ちよくなりますよね! 雪見風呂なんか最高です。

 夏は蒼野も風呂の最後に水シャワーを浴びていましたが、秋になってからサボり気味でした。疲れていたりすると、気合を入れて浴びようと思わなくなるのです。しかし今日の論文で30秒でも有効であることが分かったので、コンフォートゾーンの外に出て、ちゃんと生活習慣にしようと思い立ちました。

 今朝もワンコとの散歩の後、汗ばんだのもあり、浴室でいきなりの冷水シャワーに挑戦しました。蒼野は60過ぎなので、まず足にかけ、手にかけて慣らしてから、頭から全身にきっちり30秒数えて浴びてみました。湯船に入らずに水だけというのは初体験だったのですが、浴びた瞬間は冷たくても、シャワー後は内側からポカポカ暖かくなり、足が軽い感じが午前中いっぱい続きました。頭がスッキリしてやる気が充満する感覚があります。

 しばらく続けてみようと思える感触でした。冷水シャワーは水風呂ほどは冷たくありません。最初は短時間からで良いので、自分が気持ちいいと感じる程度が最適です。朝に冷水シャワーを浴びると、1日の生産性が向上するというのも本当のように思いました。水シャワーは脳にとっても強烈な刺激になるので、多くの脳内伝達物質が出るのだと思います。

 もちろんいつも血圧が高い人や、心臓病や不整脈のあるような人、高齢の方は、ちゃんと主治医と相談してからにして下さいね! 足に水をかけて上がるというのも、冷水シャワー効果の何割かはあると思いますので、トライされるのも良いと思います。

 コロナやインフルを引かないためにも、冷水シャワーを習慣にして、血流改善、免疫力アップ、若返りを図りたい蒼野でした。寝坊しなければ朝の冷水シャワーにトライして続けてみようと思います!

参考文献:
1)The Effect of Cold Showering on Health and Work: A Randomized Controlled Trial. ; PLoS One. 2016; 11(9): e0161749.   https://doi.org/10.1371/journal.pone.0161749

2)Immune changes in humans during cold exposure: Effects of prior heating and exercise. J Appl Physiol. 1999;87:699–710. 

3)Human physiological responses to immersion into water of different temperatures. ; European Journal of Applied Physiology volume 81, pages 436–442 (2000)

4)Scientific Evidence-Based Effects of Hydrotherapy on Various Systems of the Body N Am J Med Sci. 2014 May; 6(5): 199–209. 

過去ブログ:

もし記事が良かったよ!と思われた方は蒼野健造公式ラインのボタンをポチッと押して、ご登録くださいね。ライン登録された方で希望される方は、オンライン面談での相談に乗りたいと思っております。